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原乳出荷再開へ 楢葉の蛭田博章さん なりわい取り戻す

今月中旬の原乳の出荷再開を目指し、乳牛を世話する蛭田さん

 東京電力福島第一原発事故により旧警戒区域、旧計画的避難区域となった楢葉町など5市町村で原乳の出荷制限が昨年末に解除されたことを受け、楢葉町上小塙字女平で蛭田牧場を営む蛭田博章さん(48)は今月中旬にも原乳の出荷を再開する。なりわいを取り戻せる喜びとともに、責任の重さを感じながら乳牛の世話に励んでいる。

 蛭田牧場は町中心部から木戸ダムに向かう途中にある。時折小雨が降る4日、蛭田さんは乳牛に干し草を与え、牛舎にたまったふんを取り除くなど乳牛の世話に汗を流した。この日は午前と午後の2回、子牛の出産に立ち会った。
 原発事故以前、蛭田さんは両親らとともに約130頭の乳牛を飼育していた。当時、楢葉町が警戒区域となり、中断を余儀なくされた。「いつの日か酪農を再開したい」と町の農地保全事業に携わりながら、昨年4月から県の営農再開支援の飼養実証事業に取り組んできた。
 6頭の乳牛から始め、現在は33頭まで数を増やした。避難先のいわき市を午前6時ごろ出発し、午後9時ごろにいわき市に帰る日が続く。「しばらくぶりに乳牛の世話をして、自分はこの仕事が好きなんだと改めて実感した」と語る。
 一方で「原乳は人の口に入る商品。出荷が始まれば生産者としての責任は大きくなる」と表情を引き締める。昨年5月から12月まで毎週、搾乳した原乳の放射性物質検査結果はいずれも検出下限値未満だった。「正直、不安が全くないとは言えないが、安全な原乳を届けられるよう乳牛の管理に万全を期したい」と決意を述べた。

カテゴリー:福島第一原発事故

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