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被災地の詳細線量把握へ 県、IAEA「歩行サーベイシステム」開発

 今春の居住制限、避難指示解除準備両区域の解除などに向け、県は被災自治体のより詳細な空間放射線量の把握に乗り出す。国際原子力機関(IAEA)と共同開発した「歩行サーベイシステム」を導入し、自動車による「走行サーベイシステム」では不可能だった狭い路地など身近な場所の空間線量を細かく測定する。分布地図を作製して住民に提供し、帰還を希望する住民の安心確保につなげたい考えだ。

 歩行サーベイシステムは、人が機器を背負って歩き、約3秒ごとに測定する。衛星利用測位システム(GPS)を登載し、日本原子力研究開発機構(JAEA)の専用ソフトを介して線量分布を色分けして地図上に示す【図】。自然減衰や除染による線量変化の経過観測に有効だ。
 東京電力福島第一福島原発事故以来、県は走行サーベイシステムなどで空間放射線量を測定してきた。しかし、車両が通行できる道路上に限定される上、車速や現場の状況などで十分に計測できない課題があった。県はより詳細な測定手段の確立に向けて平成25年度からIAEAとの共同研究で開発を進めてきた。
 県は、今春の避難指示解除を予定している川俣、飯舘、富岡、浪江の各町村などに機器5台を貸与し、住宅地周辺の狭い道路や公園、里山などを測定してもらうことで生活環境の改善につなげる方針。既に避難指示が解除された市町村などにも要望に応じて貸し出す。
 県は3月末までに自治体向けマニュアルを作成する予定。県放射線監視室は「線量分布を視覚的に確認できる利点がある。帰還を希望する住民が安心して生活再建できるよう取り組みたい」としている。
 3月末に一部を除く避難指示が解除される飯舘村の菅野典雄村長は「線量が安全かどうかは個人の見解だ」とした上で、「より実態を反映した緻密なデータを得られれば住民の帰還判断の材料が増える」と語った。

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