楢葉町は、4月に町内で再開する小中学校に通学する児童生徒がいる世帯に給食費や通学費などを支援する方針を固めた。保護者の負担を軽減して一人でも多くの子どもに町内の小中学校に通学してもらうのが狙い。9日、いわき市中央台の楢葉小中仮設校舎体育館で開かれた保護者説明会で、町が明らかにした。
小中学生の給食費や電車代は全額支援する方向で検討している。電車代は、いわき市からJR広野駅までの費用などを町が実費で負担するとみられる。
町内に戻って生活する児童生徒には無料のスクールバスを走らせて対応する。学用品費は一部を支援する方向で検討している。具体的には制服や運動着などの費用の一部負担を想定している。
さらに、小中学生全員にタブレット端末を配布し、情報通信技術を活用した教育に力を入れる。タブレット端末を約100台準備する。
町は平成29年度一般会計当初予算案に就学支援に関する予算を計上する方向で調整に入る。町によると、現時点で小学生約50人、中学生約40人が町内に再開する小中学校に通学する意向を示しているという。
9日の保護者説明会では、町内でのスクールバス運行、放課後や土曜日の学習支援態勢などについて説明があった。矢内賢太郎町教育長は「1人でも多くの子どもに町に戻ってもらい、古里での教育をスタートさせたい。学校を拠点に地域と連携した教育を進める」と述べた。
(カテゴリー:福島第一原発事故)