福島市の福島二、岳陽両中の生徒有志は2月に市民と復興の関わりや諸課題の解決策など古里復興のヒントを求めて平成11年の大地震から復興を遂げた台湾中部の台中市を訪れる。生徒は「福島の復興に向けて自分が何をなすべきかを考えるきっかけにしたい」と準備を進めている。将来的には両市の相互交流に発展させたい考えだ。
台湾を訪問するのは福島二、岳陽両中の2年生14人(男子3人、女子11人)。いずれも福島復興の方策を考える「イノベーション部」に所属している。大災害を経験しながらも力強く再興した台中市から学ぼうと自ら渡航先を選んだ。
2月19日から22日までの滞在期間中に台中市内の中高一貫校「立人高級中学」で現地の生徒と交流を深めながら台中市内の復興状況や市民がいかに地域再生に携わったのかなどを聞き取る。さらに福島県内での食の安全確保に向けた取り組みや避難指示解除後の地域づくりなど県内の現状を発信する。人口減少や農業後継者問題などでも意見を交わす。
視察では台湾大地震発生当時の写真や復旧状況を記録した資料を展示している霧峰地震博物館を見学する。多くの建築物が再建された中心市街地も巡る。
事前に自分たちの情報を知ってもらおうと福島二、岳陽両中の生徒は合同で英語や中国語で自己紹介する動画を作成した。福島二中の鈴木紗由さん(14)は「相手に自分の意見をしっかりと伝えられるよう準備したい」、福島の食の魅力をPRする劇を披露する岳陽中の佐藤希さん(14)は「水餃子が主流の台湾で福島の円盤餃子のおいしさをアピールしたい」と意欲を語った。
帰国後も交流を継続する考えで、立人高級中学の生徒を福島市内に招待する観光ツアーなどを通じて相互理解を進めていく。
(カテゴリー:福島第一原発事故)