郡山市の仁井田本家が南相馬市小高区の酒米「雄町(おまち)」を使って仕込んだ日本酒が完成し27日、袋吊(つ)りで酒搾りが行われた。コメを生産した有機農家根本洸一さん(79)が立ち会い、被災地の農業復興へ願いを込めた純米吟醸の完成を喜んだ。
仁井田穏彦社長(51)は「ふくよかな味。浜通りの温暖な気候で育った県産米でも、雄町の主産地岡山県のコメと遜色ない酒ができる期待を持てた」と出来栄えに満足していた。
搾りたてを試飲した根本さんは「感無量。希望の酒で多くの人が穏やかな気持ちになってほしい」と話した。
小高産雄町を使った日本酒「おだやか 雄町純米吟醸」(720ミリリットル入り税別1800円)は3月上旬、県内の特約店を中心に2千本発売する。いわき市産「山田錦」を使った「おだやか 山田錦純米吟醸」(同1700円)も2千本販売する。問い合わせは仁井田本家 フリーダイヤル(0120)552313へ。
仁井田本家は福島民報社の第2回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)で金賞を受賞した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)