東日本大震災

「放射線・放射性物質Q&A」アーカイブ

  • Check

放射線 放射性物質 Q&A 0・23マイクロシーベルト以上で生活 どうなる

 県放射線健康リスク管理アドバイザーの高村昇長崎大原爆後障害医療研究所教授に回答してもらう「放射線・放射性物質Q&A」を11回にわたって連載する。古里へ帰還に向けた動きが加速する中、県民の関心が高い項目を取り上げた。


 福島県内では除染しても空間線量率が0・23マイクロシーベルト/時を下回らない地域がありますが、このような場所で1年間生活した場合、健康への影響はどうなのでしょうか。

【回答者】県放射線健康リスク管理アドバイザー・長崎大原爆後障害医療研究所教授 高村昇さん

■健康影響はみられない

 0・23マイクロシーベルト/時というのは、1日のうち屋外に8時間、木造の屋内に16時間滞在したとして、1年間に1ミリシーベルトの追加被ばくをする目安の線量率です。年間1ミリシーベルトというのは、国際放射線防護委員会(ICRP)が勧告する、平時における公衆の追加被ばく線量限度です。
 しかしながら、年間1ミリシーベルトを超えた線量を被ばくしたからといって、健康影響がみられるわけではありません。よく言われるように、100ミリシーベルトを超えるような急性被ばくをした場合には、がんになるリスクが上昇することが、また500ミリシーベルトを超えるような線量を一度に被ばくすると骨髄細胞の減少といった急性症状が起こることが知られています。ICRPが勧告する1ミリシーベルト、というのはこのような科学的知見を踏まえたうえで、平時にはなるべく追加の被ばくを抑えるという防護の考え方によるものです。
 さらに重要なことは、ICRPは6年前の東京電力福島第一原発事故のような放射線災害が発生した場合、事故が継続している間は年間100から20ミリシーベルトの間でできるだけ低いレベルで、事故が収束した後には20ミリシーベルトから徐々に事故前のレベルに戻すことを勧告しています。
 このように放射線災害が発生した際には、住民への健康影響が出ないように、事故の状況に従って被ばく線量の限度を変化させていくことが、国際的にも認められています。

カテゴリー:放射線・放射性物質Q&A

「放射線・放射性物質Q&A」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧