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3日にも凍結開始 第一原発遮水壁4カ所

 東京電力は2日、福島第一原発の汚染水対策「凍土遮水壁」の山側に設けた未凍結区間5カ所のうち、4カ所を早ければ3日にも凍結させると発表した。建屋に流れ込む地下水を減らすため、1カ所を除いて凍結させる計画を原子力規制委員会に示し、2日に正式に認められた。
 凍土壁の山側は、1度に凍結させると急激な地下水の変動が起き、建屋内の高濃度汚染水が漏れ出す恐れがあるとして未凍結区間を設けていた。残る1カ所を凍結するかどうかは、規制委が検討を続ける。
 凍結と未凍結を含めた山側の凍土壁の総延長は約860メートルで、今回の4カ所はこのうち計約25メートル。残る1カ所は2号機西側の約7メートルの区間となり、ほぼ全面稼働することになる。
 凍土壁は海側でほぼ全てが凍結した。壁の下流側でくみ上げる地下水の量は減少傾向だが、東電の示した目標量まで減らない状態が続き、効果を疑問視する見方もある。

カテゴリー:福島第一原発事故