JFAアカデミー福島のアカデミー生として中学・高校時代を双葉郡で過ごした女子サッカー選手8人は13日、東京電力福島第一原発構内を視察し、廃炉作業の現状に理解を深めた。復興の道を歩む県民の応援を背に、平成32(2020)年の東京五輪出場を目指してプレーすることを誓った。
日本サッカー協会(JFA)、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の主催。川島はるな、田中陽子、吉見夏稀、和田奈央子、浜田遥、本多由佳、山根恵里奈、若林美里の各選手が参加した。女子サッカー選手の視察は原発事故後、初めて。
8選手は布手袋とビニールの靴カバーを身に着け、マイクロバスで構内を巡った。原発事故で原子炉建屋が大破し、使用済み核燃料の取り出しに向けた作業が進んでいる1、3号機や汚染水タンクなどを真剣なまなざしで見つめていた。
楢葉町にあるJFAアカデミー福島の女子寮も訪れた。青春時代を過ごした部屋や自転車置き場などを見て回り、思い出話を語り合った。アカデミーは原発事故後、活動拠点を静岡県に移している。
山根選手は8選手を代表し、本県への思いを語った。「高校時代から6年間を過ごした地が被災し、サッカーを続けるか悩んだ。県民から励ましを受け、続けようと心に決めた。今後も福島を思いながら、復興が進むことを願ってピッチに立ちたい」と目を潤ませた。
視察にJFAの田嶋幸三会長、Jリーグの村井満チェアマンが同行した。
◇ ◇
8選手は楢葉、広野の両町などの小学生ら約40人を対象としたサッカークリニックにも臨んだ。大和田朝斗君(広野小6年)は「福島の地でプレーしていた憧れの選手と一緒に練習できてうれしい」と笑顔で話した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)