東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

医師県内定着へ新実習 新年度から福島医大 32病院と連携、教育充実

 福島医大は東日本大震災、東京電力福島第一原発事故後に県内で不足や偏在が課題となっている医師の確保と定着に向けて平成29年度から県内32病院と連携して医学部生を教育する仕組みを導入する。福島医大付属病院が中核を担っていた病院実習を他医療機関と協力して実践し、地域事情に通じた医師を養成。定着の契機となる卒後臨床研修医の増加につなげる。

■卒後臨床医増加目指す

 新たな病院実習のイメージは【図】の通り。福島医大は県内の卒後臨床研修指定病院や学生受け入れが可能な一定規模以上の病院などに協力を要請した。福島医大は同様の取り組みとしては全国有数の規模になるとみている。
 学生は50のプログラムから選択して学ぶ。例えば内科や外科など幅広い診療科を回ったり、心臓や脳の疾患など各病院が強みとしている診療に特化したりするプログラムなどを想定している。被災地で増加傾向の疾患や診療態勢に理解を深めるほか、中山間地での訪問診療などに同行し医療過疎の現状を体験する実習も組み込む。実習先が偏らないよう、複数のプログラムを組み合わせたコースの構築も検討する。
 29年度は6年生約100人を対象に4月から7月にかけて計14週実施する。30年度以降、対象学年や実習期間を増やす方針だ。
 学生は実習を通じて県内各病院の医師や研修医の話を直接聞き、卒業後の研修先選択の参考とする。病院側は指導に加え、研修医定着に結び付ける機会とする。
 福島医大によると昨年、県内病院での卒後臨床研修が決まった新人医師数は97人で過去最多だった。だが、人口10万人当たりで見ると約5人で、全国順位は44位と低迷している。福島医大の医学部卒業生の県内研修の定着率も半数程度にとどまっている。福島医大は学生を対象とした調査で「研修内容」「職場の雰囲気」を優先して研修先を選択しているとの結果を得た。学生時に県内医療の現状を幅広く学ぶことで県内定着につながる可能性が高まると判断した。
 同大医療人育成・支援センターは「県全体で医師を育てる環境を醸成し、県内の医療環境向上につなげたい」としている。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧