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浪江に水素製造拠点 旧原発予定地、30ヘクタール造成 国など調整

 東京電力福島第一原発事故で被災した県内を水素の一大供給地とする国の福島新エネ社会構想で、国や県などは世界最大規模の水素製造工場の立地場所を浪江町の浪江・小高原発の旧建設予定地とする方向で最終調整に入った。東北電力が町に無償譲渡する約120ヘクタールのうち、約30ヘクタールを造成し平成32年までの供給開始を目指す。
 東北電力が町に無償譲渡する旧原発予定地は沿岸部の避難指示解除準備区域にあり、3月31日に解除される。関係者によると、必要な面積を確保でき、無償譲渡のため経費削減が見込めることから水素製造拠点の最適地として浮上した。
 東京五輪・パラリンピックまでに首都圏などへの供給を実現させるため、製造工場用地として約5ヘクタールの造成を優先させる。残る25ヘクタールは、製造に用いる電力を再生可能エネルギーで賄うため、太陽光発電施設などの整備を段階的に進める案が有力となっている。
 製造計画を巡っては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術開発委託事業の採択を受けた東芝、東北電力、液化石油ガス(LPG)大手・岩谷産業の3社が事業主体となり、水素の製造量や発電量、供給量など事業の可能性調査を続けている。
 NEDOなどによると、調査期間は今年9月までの予定だったが順調に推移しているため、6~7月ごろに結果を取りまとめ専門家による評価・審査を実施する。事業計画が適当と認められれば、8~9月にも水素工場の用地造成などに着手できる見込みという。町が造成し、事業主体に無償提供する方向で検討されている。
 町は復興計画で、家庭用燃料電池(エネファーム)や燃料電池自動車(FCV)などの導入による水素エネルギーの地産地消を掲げている。水素工場が立地すれば、計画実現に弾みが付くと期待されている。
 本県を国内向け水素の一大供給拠点とする計画は昨年3月、安倍晋三首相が表明した。政府は水素社会実現のモデル構築に向け、29年度予算案に関連費用として147億円を盛り込んだ。

■世界最大規模の計画

 3社が計画している水素エネルギーシステムは【図】の通り。東芝が世界最大規模となる最大1万キロワット級の水素製造装置の設計と開発に当たり、東北電力が送電網など電力系統システムの整備と制御、岩谷産業が水素の貯蔵や輸送を担う。液化して県内外の水素ステーション向けに販売する。
 製造した水素は長期間の貯蔵が可能で、気象条件によって発電量が変動する再生可能エネルギーを補完する役割を担い、電力系統を安定的に維持することができるという。

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