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避難先での営農支援 農機具購入や施設整備補助 県、秋にも開始

 県は今秋にも、東京電力福島第一原発事故で避難区域が設定された12市町村の農家が避難先などで営農を再開する際、機械や施設の購入費を補助する制度を設ける。経費の上限を1000万円とし、最大で4分の3に当たる750万円を助成する。市町村の農業委員会の協力を得て、農地を紹介する取り組みも併せて進め、自宅を離れて暮らす農業者の耕作意欲の維持につなげる。

 県が新設する補助制度は、農家や農業法人がトラクターや田植え機、コンバイン、パイプハウス、畜舎などを購入する際の経費を対象とする。帰還困難区域から避難し、将来的に12市町村内で農業を始める意欲がある場合、補助率は4分の3以内、居住制限、避難指示解除準備両区域を離れて生活している場合などは3分の1(経費1000万円の場合、補助額は約333万円)以内となる。
 一方、市町村の農業委員会と連携し、生産者の高齢化などで活用されなくなった農地を希望者に紹介する。農林事務所の職員が直接出向いて技術指導し、避難先での作物栽培を支援する。
 県は昨年12月、12市町村内で営農を再開する農家を対象に、機械や施設購入費の補助制度を新設した。しかし、避難先で家族が就職・就学した家庭では帰還して再び農業を始める時期が見通せないケースも多いという。福島相双復興官民合同チームが12市町村の農家を対象に実施している調査でも、「12市町村外で営農を再開した場合も補助を受けられるようにしてほしい」との要望が上がっており、避難区域設定地域の農業再生に向け県は対応を検討していた。
 県農業振興課は「12市町村の復興状況などに応じ、継続的に農家に対する支援策を講じていく」としている。
 東京電力福島第一原発事故に伴い避難区域が設定された12市町村の帰還困難区域を除く農地面積約1万4900ヘクタールのうち、2016(平成28)年度末までに営農を再開したのは約3900ヘクタール(速報値)となっている。全体の3割弱に当たり、前年度同期から約1000ヘクタール増加した。
 県が17日までに、各市町村から聞き取ってまとめた。市町村別の再開面積は明らかにしていないが、南相馬、川内、田村の3市村を中心に複数の市町村で増えたとしている。
 県は2020年度末までに、12市町村内の全農地の6割で営農を再開する目標を掲げており、担い手確保や農産物の販売支援に力を入れる。

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