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特定復興拠点の除染開始 環境省、双葉から解体と一体施工

特定復興再生拠点の整備に向けて始まった除染作業に当たる作業員=25日、双葉町鴻草

 環境省は25日、東京電力福島第一原発事故で立ち入りが制限されている双葉町の帰還困難区域で、住民が再び住めるようにする特定復興再生拠点区域(復興拠点)の整備に向け除染と建物解体を始めた。政府が認定した復興拠点の整備計画に基づく初の工事着手で、県内7市町村にある帰還困難区域の再生への第一歩となる。同省は除染と解体の一体施工を他自治体でも採用し、工期を短縮することで帰還意向を維持したい考えだ。
 町がシンボル軸と位置付ける県道井手長塚線、緊急時の迂回(うかい)路となる町道鴻草・寺松線などの約7ヘクタール。このうち、県道井手長塚線などの約3ヘクタールで除染と解体を一体施工する。町道鴻草・寺松線は除染のみを実施する。長期避難によって草木が茂り、家屋が老朽化しており、国費で除染や家屋解体、インフラ整備を2018(平成30)年7月まで集中的に進める。
 県道は2019年度完成予定の常磐自動車道双葉インターチェンジ(仮称)とJR常磐線双葉駅周辺、中野地区復興産業拠点、復興祈念公園などを結ぶ復興に不可欠な東西軸となるため、現道の幅員を2倍前後の14メートルに拡幅する。拡張に伴う用地を買収した後、約55軒の家屋や公共施設を解体する。
 同省は25日、報道関係者に町道鴻草・寺松線脇の草刈り作業を公開した。伊沢史朗町長が視察し、「はっきり目に見える復興の姿を町民に感じてもらえると思う。帰還の意欲を維持することにもつながるはずだ」と述べた。
 福島第一原発が立地する双葉町は町面積の約96%が帰還困難区域で、復興拠点は町面積の約11%に当たる約555ヘクタール。今後、徐々に除染範囲を広げる。町は2019年度末までのJR常磐線全線開通に合わせ、双葉駅周辺の除染を優先的に進めた上で避難指示を先行して解除し、2022年春までに復興拠点全域で避難指示解除を目指している。

■一体施工試算 期間5カ月半短縮
 同省は除染と家屋解体の一体施工により、通常施工に比べ、家屋の解体期間は約5カ月半短縮できると試算している。廃棄物発生量は約6%、覆土などの建設資材が約43%削減できるという。
 通常施工で家屋を解体し県道を拡幅する場合、環境省が家屋の除染、除草、覆土をした後、県が用地買収し舗装する。ただ、地権者自らが家屋を解体・撤去するために時間がかかることが想定される。除染後に再び生い茂った草木を除草するなど作業の重複が課題となる。
 このため、一体施工では、家屋解体を先に実施することで家屋の除染を省略し、重複する作業を省いて工期を短縮する。さらに、用地買収の協議などを環境省と県が協力することで地権者の事務手続きの負担を軽減するとしている。
 同省は復興拠点の政府認定を受けた大熊町、浪江町などでも一体施工を導入する方向で協議を進める。

カテゴリー:福島第一原発事故

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