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【震災から7年】 福島復興局長 横山忠弘氏に聞く 丁寧さと早さ両立へ

 東京電力福島第一原発事故の避難指示が解除された区域で生活環境の整備が進む一方、住民の帰還や風評対策などが課題となっている。復興・創生期間が折り返しを迎える中、復興庁の横山忠弘福島復興局長(55)に考えを聞いた。

 −川俣、富岡、浪江、飯舘の4町村で帰還困難区域以外の避難指示が解除され、1年となる。被災地の再生を今後いかに加速させるか。

 「『丁寧さ』と『早さ』を両立させるのが目標だ。住民の生活のため、なりわいの再生、営農再開の支援がさらに重要になるだろう。介護の環境を整えるため、人材確保などの予算を確保した。医療、買い物環境、交通、教育などの充実を求める声にも応えたい。大切なのは地域ごとに帰還の動向や復興の段階が異なっていることを踏まえることだ。福島再生加速化交付金などを活用し、可能な限り柔軟に福島独自の課題に対応する」
 −帰還困難区域の特定復興再生拠点整備が本格化する。

 「帰還困難区域の解除に向けた動きが地域全体の安心や帰還につながると考える。今後は除染、家屋解体、インフラ整備などを切れ目なく行うため、県、市町村と課題を共有し、連携を深める。JR常磐線が2019年度末までに全線開通するので駅周辺の除染や道路整備などを重点的に進める。計画期間の基本は5年ほどとなっているが、早められるようにしたい」
 −復興庁は昨年末、風評払拭(ふっしょく)・リスクコミュニケーション強化戦略をまとめた。福島復興局としての役割をどう考えるか。

 「復興局としてはメディアを活用した情報発信など関係省庁の取り組みを県内の人にしっかり知ってもらえるようにする。その上で風評の実情や要望などを地元の意見を聞き、戦略の事業に反映させたい」
 −被災地の自治体が必要としている人材も変わってきている。確保の支援策は。

 「保健師や農業土木専門の職員らもともと不足している分野の需要が増えている上、課税など通常の業務も重要になってくる。市町村間の連携を支援するとともに公募やハローワークでの求人、国際協力機構(JICA)青年海外協力隊の経験者への働き掛けなどあらゆる手段を尽くす」
 −復興・創生期間が折り返しを迎える。期間終了後を見据えてどう対応するか。

 「現在の復興業務を進めながら2021年3月までに急ぐべきことや仕上げられる事業をしっかりまとめる。その上で復興・創生期間後に取り組むべき課題が見えてくるはずだ。これまで以上に地元の要望を聞き、本庁に具体的な提案をして期間後の事業に反映できるようにしたい」

 よこやま・ただひろ 大阪府出身。東大法学部卒。1985(昭和60)年に旧自治省(現総務省)入省。岡山市副市長、総務省消防庁消防大学校長などを歴任した。55歳。

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