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【震災から7年】「社会基盤」 常磐線復旧 急ピッチ 2019年度末までの運転再開を目指す 富岡―浪江


 震災と原発事故で一部区間が不通となったJR常磐線の全線開通に向け、JR東日本の復旧作業が本格化している。2017(平成29)年4月に浪江-小高駅間(8・9キロ)、10月には竜田-富岡駅間(6・9キロ)の運転が再開した。残る不通区間の富岡-浪江駅間(20・8キロ)は2019年度末までの運転再開を目指している。
 不通区間のうち、駅舎周辺などを除く約7割で除染が完了し、線路の敷設工事もおおむね予定通りに進んでいる。国は全線開通に合わせ、帰還困難区域内にある双葉駅周辺(双葉町)、大野駅周辺(大熊町)の避難指示を先行して解除する方針を示している。
 JR東日本はサッカー施設Jヴィレッジ(楢葉町・広野町)近郊に常磐線の新駅を設置する計画も進めている。新駅は広野-木戸駅間の楢葉、広野両町にまたがる付近に2018、2019年度の2年間で整備する方針。総事業費は約15億円で、JR東日本と県、双葉郡の8町村が3分の1の5億円ずつを負担する方向で調整している。
 Jヴィレッジは7月28日に一部施設の利用が再開し、2019年春の全面再開を予定している。新駅設置で来場者の交通の利便性が向上し、周辺のにぎわい創出につながると期待されている。

■津波被災地の復旧・復興事業 全体の84% 年度内完了

 震災の津波で被災した県管理公共土木施設の復旧事業は、2017(平成29)年度に河川や海岸、道路、防災緑地など計46カ所で整備を終える。原発事故に伴う帰還困難区域を除き、全523カ所のうち、84%に当たる441カ所が完了することになる。
 相馬市の松川浦と太平洋を仕切り、海岸堤防と一体で県が代行整備を進めてきた市道大洲松川線「大洲松川ライン」は3月末までに整備が終わり、4月にも開通する見通しとなっている。
 いわき市平薄磯地区では、3月末までに防災緑地や海岸堤防など津波に備えた多重防御設備が市内で初めて整う。全国植樹祭の会場や福島ロボットテストフィールド建設地がある南相馬市では、渋佐萱浜地区の海岸と県道北泉小高線の復旧がそれぞれ当初計画より1年前倒しで完成する。
 復旧・復興事業全体の進捗(しんちょく)状況について県は、軟弱地盤や地中の構造物など現場の条件変化や作業調整などがあるものの、工事は順調に進んでいるとみている。計画通り2020年度内におおむね完工させる。

■Jヴィレッジ 7月一部施設再開

 震災と原発事故に伴い休止していたサッカー施設Jヴィレッジ(楢葉町・広野町)は、7月28日に一部施設の利用を再開する。
 既存のグラウンド11・5面のうち、天然芝5面と人工芝1・5面、客室約120室と会議室を備えた新宿泊棟が利用可能となる。残りのグラウンドとメイン施設のスタジアム、屋根付き全天候型練習場などは2019年春の全面再開に向けた整備が進む。
 再開後のJヴィレッジはサッカー以外のスポーツや産業、文化、芸術面でも活用する。ラグビーの試合を想定した専用設備を整え、2019年のラグビーワールドカップ日本大会の開催に合わせ事前合宿を誘致する。小型無人機(ドローン)の操縦訓練や大規模な音楽イベント、地域住民が交流できる運動会の開催などを予定している。
 Jヴィレッジは1997(平成9)年に開設された日本初のサッカーナショナルトレーニングセンター。震災前は日本代表が強化合宿を行っていたほか、各種大会の会場となり、サッカーの聖地として親しまれてきた。原発事故後は政府や東京電力が事故収束の対応拠点として使用し、東電の福島復興本社が置かれた。

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