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【震災から7年】「社会基盤」 富岡駅 ルポ 町表玄関「再開」 周辺の開発急務

昨年10月に運行を再開したJR常磐線の富岡駅。地域交通の拠点としてにぎわう

 富岡町の表玄関となっているJR常磐線富岡駅。昨年10月、竜田(楢葉町)-富岡駅間6・9キロで列車の運行が再開されてから4カ月余りが過ぎ、朝夕は通勤客らが行き交っている。運転免許証を持たない高齢者らが、いわき市などに買い物に出掛ける際の貴重な交通手段となっている。
 2月下旬、いわき駅から午前7時49分発富岡駅行きの普通列車に乗った。乗客は沿線の事業所に勤務するサラリーマンや、沿線にある四倉高、ふたば未来学園高に通う生徒ら約250人。5両編成の車両の座席はほぼ埋まった状態だ。
 乗客の多数を占めるふたば未来学園高の生徒ら約100人が広野駅で降り、終点の富岡駅では約50人が下車した。乗車した約40分間でいわき、広野、楢葉、富岡の各市町の海岸沿いなどで進む復興状況を車窓から眺めることができた。
 富岡駅の駅舎は鉄骨造りでホームと駅舎の間にはエレベーター付きの陸橋が架かる。震災前にあった木造の昔ながらの駅舎は津波で流失し、新駅舎は旧駅舎から約100メートル北側に建て替えられた。駅舎の隣には「さくらステーションKINONE(きのね)」も整備され、駅利用者が飲み物を買ったり、軽食を取ったりする場となっている。
 「エレベーターが設置されるなど、震災前に比べると利用が楽になった」。町内の災害公営住宅からいわき市に買い物に出掛けるという70代の女性は笑顔で話した。
 ただ、駅周辺は依然として震災と原発事故の爪痕が残る。ホームから太平洋を望むと、環境省が災害がれきなどを処理するために整備した仮設焼却施設の破砕選別施設や選別物保管施設が並ぶ。現在、廃棄物を搬出するため、線路を横断する形で仮設陸橋の橋脚の建設工事が進められている。
 震災前、富岡駅は周辺に商店やホテル、飲食店などが並んでいた。運行再開に先立ち、駅舎近くには町民有志が経営する富岡ホテルが開業したが、駅周辺の古い建物は解体され多くが更地になっている。駅周辺が以前のようなにぎわいを取り戻すには、まだ時間がかかるとみられる。(双葉南支局長兼いわき支社報道部副部長・須藤 茂俊)

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