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自主避難の合理性認定 京都地裁 国と東電に賠償命令 原発事故集団訴訟

 東京電力福島第一原発事故の影響で避難を強いられたとして、県内や首都圏から京都府に移った自主避難者ら174人が国と東電に慰謝料など約8億5000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は15日、自主避難の合理性を認め、国と東電に対し原告110人に総額約1億1000万円を支払うよう命じた。全国で約30ある同種の集団訴訟で5件目の判決となり、国の責任を認めたのは3件目。
 浅見宣義裁判長は判決理由で、政府の地震調査研究推進本部が2002(平成14)年に公表した地震に関する長期評価に基づき、国が津波を予見するのは可能だったと判断した。東電に対して対応を命じなかったのは違法と指摘し、「遅くとも2006年末に東電に津波対策を講じさせていれば事故は回避できた可能性が高い」とした。
 裁判では、自主避難者が事故前に住んでいた場所での低線量被ばくの危険性が争点となった。地裁は「(低線量被ばくは)科学的知見が未解明の部分が多く、健康影響は明らかでない」として、避難の相当性を考慮する上での判断基準とはしなかった。その上で、原告の当時の居住地や避難時期、子どもがいたかどうかなどの独自の基準を示して、避難が相当だったかを個別に検討した。地裁は「事故当時の状況によっては自主避難を決断するのも社会通念上、相当」との見解を示した。
 原告が被った損害については、避難時から2年までに生じた分のみ原発事故との因果関係を認めた。
 原告側弁護団によると、会津地方からの避難者に対する賠償も認められたという。一方で、仙台市や茨城県つくば市などからの避難者については認めなかった。
 原告側弁護団は、原告64人の請求が棄却された点などを不服として控訴する方針。
 京都地裁の訴訟の原告は事故当時に福島、宮城、茨城、栃木、千葉各県に居住していた。大半が国の避難区域外からの自主避難者で「健康影響を恐れ、自主的に避難せざるを得なかった」などとして、一人当たり原則550万円を求めていた。
 昨年3月の前橋地裁と昨年10月の福島地裁の判決は、国と東電の責任を認定。一方、昨年9月の千葉地裁の判決は東電にだけ賠償を命じ、国の責任を認めなかった。今年2月に判決が出た東京地裁の訴訟は国を被告としておらず、被告の東電に賠償を命じた。
 16日には、自主避難者らが国と東電を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁である。
 判決を受け、国側の訴訟手続きを担当している原子力規制庁は「関係省庁で判決内容を踏まえ、対処方針を検討する」とするコメントを発表した。東電は「判決内容を精査し対応を検討していく」とのコメントを出した。いずれも控訴するかどうか今後、検討するという。

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