東日本大震災

「福島第一原発事故」アーカイブ

  • Check

小高に若手起業家拠点 民間複合型施設 8月供用目指す

 南相馬市小高区に若手起業家らの活動拠点となる民間の複合型施設が整備される。オフィス事務所や作業スペースを備え、一般社団法人「パイオニズム」(和田智行代表)=本社・小高区=が運営し、8月の供用開始を目指す。東京電力福島第一原発事故による避難指示の大部分が解除された小高区では若者の帰還促進へ働く場の確保が課題となっている。市は近くに住民が交流できる復興拠点施設を来年1月に開所予定で、住民帰還に向けた相乗効果が期待される。

 パイオニズムが整備する施設は「小高パイオニアヴィレッジ(仮称)」。集会所や事務所、アトリエを備え、複数の起業家が一つの施設の中でスペースを共有し、それぞれ独立した仕事ができる。
 長期滞在用に簡易宿泊所も5部屋つくる。鉄骨2階建てで、7月中旬の完成を目指す。事業費は約8000万円で日本財団の基金から約6000万円の助成を受け、残りを自主財源とクラウドファンディングによる協力金で賄う。
 市は2018(平成30)年度、市内などで起業意欲のある都市圏の人材を地域おこし協力隊として採用する「起業型地域おこし協力隊」を十数人採用する。隊員は市内で活躍する人材や企業と協力し、3年間の任期中に起業を目指す。施設は協力隊員の活動拠点としての役割を担う見通し。
 施設には区内でガラスアクセサリー工房兼店舗「HARIOランプワークファクトリー小高」などを運営する「小高ワーカーズベース」(和田智行社長)も入所する。同社がJR小高駅前で経営する会員制共同オフィスなどの全機能を移転する。
 和田代表は「若者が復興に向けて活動する場を提供する。生産年齢人口の拡大につなげたい」と語った。
 小高ワーカーズベースは第8回地域再生大賞の北海道・東北ブロック賞を受賞。HARIOランプワークファクトリー小高は第3回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)で特別賞を受けた。

■市は復興拠点整備

 南相馬市は小高区内に復興拠点施設の整備を進めている。施設には直売所や子どもの遊び場などを置き、交流の場とにぎわい創出を目指す。
 小高区は一昨年夏に帰還困難区域を除いて避難指示が解除された。小高商工会によると、震災前の会員数は313事業所だった。今年2月23日現在、193事業所が営業再開しており、このうち区内での再開は95事業所にとどまっている。
 市によると、2011年3月11日現在の小高区の人口は1万2842人。今年3月12日現在の住民登録は8454人で、居住人口は2541人。このうち65歳以上は1276人を占める。
 紺野昌良小高区役所長は「若者が小高に定着し、復興を担う人材となってほしい。市の復興拠点と連携し、相乗効果により古里再生を加速させたい」と期待を寄せる。

カテゴリー:福島第一原発事故

「福島第一原発事故」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧