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仲卸3割「県産扱い減」 首都圏で風評根強く

 東京電力福島第一原発事故後、首都圏の仲卸事業者の3割が県産青果物の取り扱いを減らした上、小売事業者の県産米の販売量が回復していない。28日、農林水産省が初めて流通業者らを対象に実施した実態調査で分かった。風評が根強く残るだけでなく、他県産に取り扱いを変えた事業者が本県産に戻す動きが鈍い現状が浮き彫りとなり、同省と県は対策を強化する。
 首都圏の仲卸業者139社を対象にした県産青果物の取り扱いに関する調査結果は【グラフ1】の通り。キュウリやトマトなど11品目で震災、原発事故後の県産の取扱量を聞いた結果、全品目で2割以上の事業者が扱いを減らしたと回答した。扱いを減らした品目が一つでもあるとしたのは46社で33%に上った。
 販売量を減らした理由として、「販売先による別産地の指定があるため」が43%で最多。「販売先が福島産以外を希望していると想定されるため」が39%と続き風評の影響がみられた。「産地からの出荷量が減少したため」も39%、「売れ行きが悪いため」が33%だった。
 外食事業者は県産米の扱い量について「増加した」「変化なし」としたのが8割だった。

■小売 県産米、大幅落ち込み

 スーパーなど小売事業者への調査のうち、県産米の取り扱いについての調査結果は【表1】の通り。全県で生産されたコシヒカリを扱う小売店の割合は、原発事故前は全体の7%ほどだったが、2012(平成24)年以降大幅に落ち込み、震災前の水準に回復していない。会津地方でつくる「会津コシヒカリ」は全体の10%近くのスーパーで店頭に並んだが、現在は4%前後で推移している。
 事業者への聞き取り調査では、コメの産地間競争激化を指摘する声があった他、「コメは他の産地への変更が少ない商品で、勢力図が既に固定化している」「既に埋まっている棚は新品種でない限り変えるのは難しい」などの意見があった。

■全国との価格差拡大 県産モモ

 調査した20品目のうち、県産の牛肉、コメ、モモ、キュウリの価格と全国平均との差は【グラフ2】の通り。モモが原発事故前と比べて全国平均との価格差が大幅に拡大している。コメ、牛肉は全国との価格差は小さくなっているが、依然として原発事故前の水準まで回復していない。一方、キュウリは原発事故前と同程度の水準まで戻った。今回調査した範囲では不当な買いたたきはなかったという。
 県は分析結果を基に2018(平成30)年度、店舗での販売フェア開催によるコメや牛肉などの棚の確保、商品パッケージやロゴの開発、地域や年代をしぼった情報発信などに取り組む。2017年度はオンラインストアでの県産品売り上げが15億円に上っており、販売を強化する。
 調査は首都圏、関西圏などの生産、流通、販売に関わる730事業者と消費者3千人を対象に初めて実施した。

カテゴリー:福島第一原発事故

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