政府は19日、東京電力福島第一原発事故で通行が禁止されていた県道浪江三春線の一般車両の通行を再開させた。浪江町の114号国道と葛尾村を結び、通行証なしで終日の走行が可能となるのは約7年ぶり。
19日午前11時に町側と村側のゲートがそれぞれ開放された。村側のゲートでは国や村の関係者が見守る中、一般や復旧復興関係の車両が通過した。
県道は原発事故前、村民らが買い物や通院などで町や南相馬市を往来する重要なルートだった。これまでは通行証があっても午前6時から午後7時までの時間制限があり、不便さが指摘されていた。
葛尾村の馬場弘至副村長は「村の経済活動が活発となる。再開通は原発事故前の状況に戻る上での大事な一歩だ」と喜んだ。
浪江町の伊達重機専務の前司昭博さん(36)は「郡山市など中通りに向かう最短ルートが通れるようになり、便利になる」と歓迎した。
政府が昨年11月と12月に県道の空間放射線量などを調査した結果、時速30キロで走行した場合の被ばく線量は、胸部エックス線写真を1回撮影した際の86分の1程度の0・69マイクロシーベルトと試算。空間放射線量の平均は毎時2・53マイクロシーベルト。
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