東京電力福島第一原発事故で浪江町から避難し、いわき市四倉に工房を新設した大堀相馬焼「陶吉郎窯」窯元の近藤学さんと長男賢さんは22日、復活させた登り窯で初めての窯出しを行った。
学さんと賢さんが登り窯の窯出しをするのは震災後初めて。10日に火入れし約1週間の窯たきをした登り窯から、1つずつ焼き上がりを確認しながら、つぼなどの作品約1000点を慎重に取り出した。
学さんは登り窯特有の味わいの出た作品に充実感を見せながら、「ほぼ8年ぶりに再スタートを切ることができ満足している。思うように仕上がらなかった作品も多かったのでデータを積み重ねていきたい」と語った。
近藤さん親子は原発事故後の2011(平成23)年6月に同市江畑町に仮の工房を設け、陶芸活動を続けていた。新設する工房は登り窯など4つの窯を備え、ギャラリーを併設している。30日のオープン時には、今回焼き上げた作品を展示する予定だ。
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