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避難指示解除区域の訪問介護 県、事業者に特例補助金

 県は2018(平成30)年度、東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示が解除された地域で訪問介護サービスを行う事業者に特化した補助制度を創設する。避難指示解除が本格化する一方、サービスの提供体制が回復しない現状を受けた対応。通常の介護報酬に補助金を上乗せし、解除地域における事業再開や新規参入の呼び水とする。

 補助制度は避難指示区域が設定されるなどした12市町村のうち、全町避難中の大熊、双葉を除く双葉郡6町村、飯舘村、南相馬市小高区、田村市都路地区、川俣町山木屋地区の一部または全域が対象。区域内で既に再開している事業者や近接地域から対象区域内に出張する事業者の利用を想定している。サービスの対価として事業者が得る介護報酬の20%程度に当たる額を県が補助金として支出して加算する見込み。特例は2020年度まで続ける方針で、初年度は当初予算で約3400万円を確保した。事業者のニーズや制度の効果を見極めた上で2年目以降は増額も検討する。
 県によると、大熊、双葉を含む12市町村では東日本大震災と原発事故前の2011(平成23)年2月時点で31事業者が訪問介護サービスを展開し、住民約700人が利用していた。昨年2月時点で再開したのは4事業者となっている。
 訪問介護などの居宅系サービスは複数の利用者宅を巡回して利益を確保する。解除地域ではサービスを受ける高齢者の少なさに加え、利用者の住まいが広範囲に点在している。県は一日当たりの訪問件数が限られる一方で、訪問先を往復する燃料費がかさむなど効率性の低下が事業再開や新たな参入をためらう一因となっているとみている。県はこうした現場の声を受け、既存の介護報酬制度の枠にとらわれない財政支援の仕組みを国に求め、理解を得た。
 県は支払い方法など制度の詳細を詰めた上で、6月中にも関係事業者や対象市町村に補助要項を示す。県介護保険室は「新たな補助制度によって事業者の経営環境をサポートし、帰還する住民の安全・安心の確保につなげたい」としている。

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