日銀福島支店長に就任した中山興(こう)氏(48)は13日、福島市の同支店で記者会見し、東日本大震災、東京電力福島第一原発事故からの復興に向けて歩む本県経済を全力で支援していくことを誓った。
中山支店長は地域密着の姿勢を強調し、「日銀がどのような形で復興に役立つことができるか、しっかりと考えていく」と述べた。4日付で就任した。
■これからも福島を応援 菅野前支店長
記者会見には前福島支店長の菅野浩之金融機構局審議役(50)が同席し、「これからも福島の応援を続けていきたい」と語った。
菅野氏は2017(平成29)年5月から支店長を務めた。「わずか1年という短い時間だったが、県内59市町村をすべて回り、自分なりに充実した仕事ができた」と振り返った。
「着実に復興は進んでいるが、今なお途上と実感した。やれること、やるべきことは多く残っている」と述べ、今後も本県に関わっていく考えを示した。
■中山新支店長に聞く 積極的に企業訪問
中山支店長は会見で報道陣の質問に答え、福島への思いや抱負を語った。
-本県の印象は。
「母親がいわき市の出身で、私にも福島の血が通っている。思い入れは人一倍強いし、この地で働けることを極めて誇りに思う。福島県は日本酒、果物など全国に誇れる産物があり、技術力を持った企業も多い。非常に潜在能力が高いと感じている」
-どのような姿勢で仕事に臨むか。
「小さな企業にも大きな企業にも積極的に足を運びたい。現場が本当に悩んでいることを直接聞き取り、地に足が着いた対応をする。菅野前支店長は全力で職責を果たしていたが、それを引き継いだ上で、今まで以上に県民の皆さんに寄り添った取り組みをしていく」
-復興への思いは。
「福島の方は震災以後、一人一人がさまざまな思いを抱えて生きてきたと思う。日銀として何ができるのか、何をすべきかを考えていきたい」
なかやま・こう 兵庫県出身。東京大経済学部卒。1993(平成5)年に日銀に入り、調査統計局企画役、金融市場局企画役、調査統計局経済統計課長、金融研究所経済ファイナンス研究課長などを歴任した。
(カテゴリー:福島第一原発事故)