東日本大震災と東京電力福島第一原発事故発生後に創業した。県内林業の復興に向け、木の良さを徹底的に生かした家づくりに力を入れている。
風評で利用が伸び悩む県産材の利用促進を目的に、ブランド木材「奧州赤杉」を開発した。国産スギは水に弱いといわれるが、年輪が詰まり、耐腐食性に優れた芯部分に着目し、木造家屋の骨格材やログハウスに活用している。いわき市内などの県応急仮設住宅でも利用された。
住宅建築には、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想事業で実用化を目指している「縦ログ構法」を取り入れている。一定の大きさに切った木材を合わせ、木のパネルを作る技術で、丈夫で暖かい高気密住宅を実現。今年、いわき市内に「縦ログハウス」のモデルルームをオープンさせた。「福島県の家づくりは全て県内で完結させる」をモットーに、木材の仕入れ、カットなどの工程を本県の企業と連携してこなす。
住宅建材大手「LIXIL」主催のコンテストで東北支社長賞を受けるなど高い評価を得ている。「地域の林業と人々の暮らしを結び付けるとともに、未来の子どもたちに残せる家づくりを目指す」と、志賀正敏社長(54)の思いは熱い。
■メモ
▽設立=2011(平成23)年8月
▽社長=志賀正敏
▽従業員数=11人
▽住所=いわき市小名浜字芳浜11-68
▽電話番号=0246(38)6692