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特別賞 伊達物産(伊達) 伊達鶏通じ地元に元気

2020.03.10 16:54

 ブランド鶏「伊達鶏」の生産加工を手掛けている。創業以来、地域に根差した事業を目指し、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以降は県内農業の振興にも尽力している。
 一九八五(昭和六十)年、「料理に合う鶏」として伊達鶏を開発した。農家や料理人と連携し、飼育方法や飼料などを極めた。最盛期は年間約一万二千羽まで生産が伸び、県北を中心に八十五戸が飼育農家となった。現在は通常のブロイラーに肉感を加えたハーブ鶏も生産し、大手ファストフード店に供給する。畜産や食品加工、飲食店経営の関連会社を持ち、農業と食産業の裾野を広げている。
 二〇一八(平成三十)年十月、葛尾村に直営農場を開設した。震災を機に、契約していた村内の養鶏農家が廃業。風評被害や離農で厳しい状況にある本県の農業復興の足掛かりを築くため、村内での生産再開を決めた。年間約十万羽の出荷を見込み、将来的な海外輸出も視野に入れる。
 二〇一九(令和元)年十月の台風19号では本社や資機材の倉庫、契約農場の鶏舎などが水害に遭った。人気商品「肉ゴロッとおにぎり」を取り扱う伊達市の「まちの駅やながわ」も被災し、市内の直営店に販売場所を移した。清水建志社長(34)は「食べ物を通じ、地元の人に元気を与えたい」と、逆境からの再起を心に期している。
■メモ
▽設  立=1957(昭和32)年4月
▽社  長=清水建志
▽従業員数=182人
▽住  所=伊達市梁川町字南町谷川13
▽電話番号=024(577)2111