只見町の米や水を原料に、焼酎を製造している。社名と商品名の「ねっか」は「ねっか、さすけね」などと使う方言で、「全く」「とても」といった意味を持つ。只見の新たな「地酒」として定着した。
町内の農家らが中心となりつくられた合同会社「ねっか」は二〇一七(平成二十九)年、国税庁から県内初、全国で五例目の「特産品しょうちゅう製造免許」の交付を受けた。空き家を改修して蒸留所を設け、製造を開始した。
酒米をタンクで仕込むまでの作業は日本酒と同じ。焼酎でありながら日本酒に近い風味が出る。二〇一九年は県ハイテクプラザと共同で開発したオリジナル酵母を使い、より吟醸香のある米焼酎を造っている。
商品には「ねっか」、もち米を原料とした「めごねっか」、米を大きく削り風味を高めた「ばがねっか」などがある。県内外に販路が広がり、取り扱う飲食店も増えた。海外展開にも積極的で、イギリスなどへ輸出している。
蒸留所にテイスティングルームや物販スペースを併設し、観光誘客に貢献している。地域の素材で産品を生み出し、雇用につなげている。脇坂斉弘代表社員(45)は「只見ならではの取り組みを一層進めたい」と決意は固い。
■メモ
▽設立=2016(平成28)年7月
▽代表社員=脇坂斉弘
▽従業員数=3人
▽住所=只見町梁取字沖998
▽電話番号=0241(72)8872