農業と福祉が連携する農福連携を通じ、精神に障害を持つ人の就業や六次産業化などに成果を上げている。二〇〇二(平成十四)年の発足以来、地元住民と触れ合う機会を持ち、障害者が地域で生活できる素地づくりに取り組んでいる。
二〇一八年十一月にタマネギ、翌年十一月には鶏卵でJGAPを取得。白河市内に約千羽を平飼いする養鶏場を持つ。ニワトリの健康を考え、自家配合飼料で育てる。消費者に提供する卵「ここたま」は、安心・安全と味の良さが人気。後継者不足に悩む農家から耕作放棄地を借りて再生し、無農薬・無化学肥料で農作物を栽培している。
障害者とスタッフが一体となって就労支援事業に取り組む。村内にある直売・カフェ「こころや」では近隣の農家が育てた農産物を販売し、「こころんファーム」などで収穫した野菜を使った健康的な食事を提供。移動販売車「こころやカー」は高齢者の住む地域を巡回している。施設内の工房ではプリンやケーキなどスイーツを手作りしている。菓子、野菜はギフトとして全国に発送される。
関元行理事長(71)は「利用者に成功体験を持ってもらえるよう、職員が全力で頑張った結果だ。これからも地域に元気を与える施設でありたい」と話す。
■メモ
▽設立=2002(平成14)年10月
▽理事長=関元行
▽従業員数=39人
▽住所=泉崎村泉崎字下根岸9
▽電話番号=0248(54)1115