塗装した部分が発電する独自の「圧電塗料」とコーティング技術を開発し、特許を取得した。土木工事現場の安全確認など、幅広い分野への活用が見込まれている。
物の動きや振動から引き起こされる「ひずみ」を電力に変換する性質を持つ圧電素子に着目し、塗料化した。塗った部分にひずみが加わると電力が生まれる仕組みだ。平面、球面など、形状を問わず塗ることができ、塗装した素材と塗料が一体性を持つ特徴がある。
この技術を生かし、ゼネコン大手の戸田建設と共同で、トンネルを覆うコンクリートの品質を判定するセンサー装置「ジュウテンミエルカ」を製品化した。国土交通省認定の「NETIS」に登録され、トンネルや橋、ビル、堤防建設など各地のインフラ整備、建築現場で採用されている。ロボットハンド用触覚センサーの実用化に向け福島大との共同研究も進む。
ムネカタグループの一角を担うプラスチック総合メーカーで社長は永松孝明氏(68)。自動車、オフィス機器などの各種部品を製造している。海野雄士戦略企画室長(43)は「新技術は多分野での応用が期待される。今後は地域の課題解決に資する製品を生み出したい」と戦略を練っている。
■メモ
▽設立=1973(昭和48)年1月
▽社長=永松孝明
▽従業員数=116人
▽住所=福島市蓬莱町1丁目11の1
▽電話番号=024(547)2600