プラスチックごみによる海洋汚染などの環境問題改善に貢献しようと、自然由来のバクテリアセルロースを用いたストローの開発に取り組んでいる。
酢酸菌が糖を変化させる過程で生成されるバクテリアセルロースは、耐水性や生分解性に優れ、強度が高い。この性質に着目し、食品から取り出したバクテリアセルロースの膜を加熱乾燥させて形成し、ストローを試作している。東北で唯一、昔ながらの手法で酢を醸造する須賀川市の酢店から原料の提供を受けた。製造過程で生じるバクテリアセルロースの一種「酢こんにゃく」だ。伝統的な酢造方法は量産が難しく、全国的にも取り組む酢店は減少している。現状を知った班員は、酢の醸造元がバクテリアセルロースの製造拠点となる新たな産業創出の夢を描く。
試作したストローは耐水性や生分解性などの検証を重ね、校内行事や地域イベントでの利用を目指す。
班長の和田晴人さん(17)=二年=は「バクテリアセルロースは環境問題改善や地場産業の再興に向け、可能性を秘めた素材と考えている。ストローに限らず、多様な活用法の模索を続ける」と意欲を見せている。
◆バクテリアセルロース班◆
▽設立=2016(平成28)年4月
▽班長=和田晴人
▽班員=9人
▽住所=福島市森合町5の72(学校)
▽電話番号=024(535)2391(学校)