二〇一五(平成二十七)年に沖縄県の八重山農林高と友好協定を結び、交流を始めた。小野町の名誉町民で東京農大名誉教授の小泉武夫さんが、八重山農林高のある石垣市の経済大使を務めている縁で実現した。毎年、互いに派遣団を受け入れ、福島と沖縄の地場産品を生かした六次化商品づくりに取り組む。これまでに、小野の米粉と石垣の黒糖を使った「バトンクッキー」を商品化した。
遠く離れた土地同士の連携は意義深い。小野高の生徒は、食文化だけでなく沖縄の歴史や風土に理解を深める。一方、沖縄に向けては東日本大震災と東京電力福島第一原発事故からの復興の現状を発信する。代表の村上滉斗(ひろと)さん(18)=三年=は「福島の現状や魅力を沖縄で伝えてきた。今回の受賞は、その積み重ねが評価されたのだと思う」と受け止めている。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、二〇二〇(令和二)年度は相互訪問を取りやめ、オンラインでやりとりをしている。沖縄の歴史や文化、経済などについて聞く授業もあった。
宗像孝幸さん(16)=一年=は「交流を通して沖縄のことをたくさん吸収していくことを目指す」と目を輝かせた。
◆小野高◆
▽設立=1942(昭和17)年4月
▽沖縄との活動の代表=村上滉斗
▽生徒=228人
▽住所=小野町小野新町字宿ノ後63
▽電話=0247(72)3171