東京電力福島第一原発事故による除染で発生した土壌の処分を巡り、中間貯蔵施設に関わる事業者から委託を受けて地域住民に理解を求める取り組みを続けている。
「知る」活動では、集中講義やセミナーで除染作業の方法、除去土壌の現状、最終処分までの流れ、低レベル放射性廃棄物処分技術などについて学び、学生同士でグループ討論した。「見る」活動では双葉地方の中間貯蔵施設、環境再生事業施設、再生利用実証事業施設、特定復興拠点の見学に参加。講義で得た情報を現場で確認した。産業技術総合研究所などの合同教育プログラムに加わり、知識の幅を広げた。
地域住民との意見交換や勉強会を開き、「知る」「見る」の活動で理解した内容を紹介し、再生利用の方向性について意見を交わした。「伝える」活動では本音で話せる互いの信頼関係が必要と感じ、地域住民と花畑づくりなどの共同作業を通して関係を築いた。
中心的に活動してきた小林千莉(せんり)さん(22)=産業技術システム専攻二年=は「活動の継続が必須だと感じている。地元学生が積極的に関わることで復興を進めたい」と今後の取り組みを前向きに進めていく。
◆福島高専◆
▽設立=1962(昭和37)年4月
▽学生=1080人
▽住所=いわき市平上荒川字長尾30
▽電話番号=0246(46)0719