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【6度目の挑戦 聖光学院4年ぶりのセンバツ】(下)打撃力の向上へ鍛錬

2022.02.02 10:58
屋内練習場でトレーニングに励む聖光学院の選手。日本一の目標に向けて鍛錬を積んでいる=30日

 「今のままでは日本一の目標は達成できない」。主将の赤堀颯をはじめ、チーム全員が打撃力の低さを自認しており、現在は日々の練習の9割を打撃に当てている。グラウンドを広く使った実戦的な練習ではなく、ティー打撃など基本的な鍛錬に重きを置く。

 高校野球の対外試合解禁は3月5日のため、思うように実戦経験を積めないまま甲子園入りする可能性もある。冬の間にフォームやスイングを固め、試合本番で崩さないよう選手は鍛え続ける。

 秋季東北大会の全4試合で3番に座った山浅龍之介はフォームを改善し、頭が前に出てしまう打撃の癖を修正している。筋力トレーニングを積み、体重も東北大会決勝の72キロから11キロ増えた。「体が大きくなり、スイングも強くなった」と手応えを口にする。

 5番を務めた安田淳平はストライクゾーンに来た球に反応しても捉え切れず、自分の打撃を見失ったこともあった。「安打などの結果よりも、自分のベストスイングを貫けるかどうかが大事」と課題を捉える。選手同士で動画を撮影し、助言するなど高め合っている。

 赤堀は「唯一無二のチームを目指す」と誓い、一球一球に厳しさを持って練習に臨んでいる。「目に見えないつながりが信頼を強くする」。仲間が打席に立つ時やマウンドで投げる時、声だけでなく、心からエールを送る姿勢を貫いている。

 2013(平成25)年、第85回大会の8強入りが、同校のセンバツ最高成績だ。壁を越えるため「熱い一日を積み重ね、本番に挑む」と選手は闘志を燃やす。力を蓄えた聖光学院が、春の聖地で真価を発揮する。