共同通信社は22、23の両日、第26回参院選の電話世論調査を行った。福島民報社の取材を加味し、5人が立候補した福島県選挙区(改選1議席)の序盤情勢を探った。自民党公認の新人星北斗(58)=公明党推薦=、野党統一候補で無所属の新人小野寺彰子(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=の2候補が抜け出し、与野党の一騎打ちとなっている。星候補が一歩先行し、小野寺候補が追う展開。現段階では有権者の3割が投票する候補を決めておらず、今後の選挙戦が勝敗を左右するとみられる。
星候補は自民党や後援会、支援・友好団体による選対本部を中心にした組織戦を展開し、推薦を受けた公明党とも連携して支持固めをしている。小野寺候補は推薦を受けた立憲民主、国民民主、社民の各党や連合福島などによる選対本部を軸に、共産党からの支援も受け、幅広い層への浸透を図っている。
地区別に見ると、星候補は大票田である地盤の郡山市を含め、中通り、浜通りを中心に安定して支持を得ている。喜多方市出身の小野寺候補は会津地方を中心に浸透している。県中・県南地方ではまだ投票先を決めていない人が多い傾向が見られた。
支持政党別では、星候補が自民の7割弱、公明の5割弱を固めている。小野寺候補は立民の約6割、国民と共産の5割前後をまとめており、無党派層も全候補者の中で最多の3割弱の支持が集まった。ただ、現時点では、投票する候補者を決めていない支持者が4割超に上る政党が多く、情勢はまだ流動的だ。
年代別では、星候補は30代と70代以上からの支持が目立つ。若年層の支持は星、小野寺の両候補が拮抗(きっこう)している。男女別では、星候補は男女の支持が同じ割合になっている。小野寺候補は男性の支持が女性を上回っている。女性の4割が態度を未定としており、女性票の行方が注目される。
NHK党の新人皆川真紀子(52)、政治団体「参政党」の新人窪山紗和子(47)、無所属の新人佐藤早苗(62)の3候補は支持が広がっていない。
▽調査の方法=共同通信社が22、23の両日、本県選挙区の有権者を対象にコンピューターで無作為に発生させた電話番号にダイヤルするRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施した。コンピューターで電話をかける自動音声応答通話(オートコール)方式を採用した。携帯電話にも電話し、同意した人にショートメッセージサービス(SMS)を送って質問に答えてもらった。固定電話は454件、SMSは155件の計609件の回答を得た。