参院選福島県選挙区(改選1議席)に立候補した5候補の各陣営は24日までに得票目標を設定した。自民党公認の新人星北斗候補(58)=公明党推薦=の陣営は45万票、野党統一候補で無所属の新人小野寺彰子候補(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=の陣営は1万票多い46万票を掲げた。両陣営は、家計を直撃する物価高が争点となるなど有権者の関心が高まっているとみて、投票率は2019年の前回(52・41%)を上回ると予想。支持層の票固めと無党派層の取り込みに注力している。
前回と2016(平成28)年の福島県選挙区の結果と投票率は【表】の通り。前回は自民党の現職が44万5547票を獲得し、野党統一候補で無所属の新人に約10万票の差を付けて勝利した。前々回は野党統一候補で旧民進党の現職が46万2852票を集め、自民現職を約3万票差でかわした。
星、小野寺各陣営はこれまでの選挙結果や投票率、県内の有権者数156万9236人(21日現在)などを基に予想投票率と得票目標を算出した。
星陣営は24日の選挙対策会議で得票目標を決めた。国内外の情勢変化によって政治への関心が高まり、投票率は55~60%程度に上昇すると予想。これを踏まえ、得票目標は前回や前々回で自民候補が獲得した票数を上回ると設定した。陣営幹部は「6年前に失った自民の議席を必ず奪還する」と誓う。
対する小野寺陣営は、燃料や物価の高騰を背景とした県民生活の負担の高まりが積極的な投票行動に結びつくとみて、投票率は前回を上回る57%程度と見込んだ。得票目標は、事実上の与野党一騎打ちを制した前々回並みに設定した。陣営幹部は「6年前の勝利を再現し議席を死守する」と意気込む。
星陣営は目標達成に向け、約140の支援・友好団体と連携して票固めを急ぐ。無党派層の取り込みが勝利の鍵を握るとみて、県議や市町村議らが無料通信アプリ「LINE(ライン)」などを使って、支持を広く呼び掛けている。
小野寺陣営は19の県議会選挙区単位で設けた選対本部を拠点に票の積み上げを目指す。自公連立政権への批判票の受け皿となるべく、フェイスブックやインスタグラムなど交流サイト(SNS)を用い、浮動票の掘り起こしに努めている。
福島県選挙区には、NHK党公認の新人皆川真紀子候補(52)、政治団体「参政党」公認の新人窪山紗和子候補(47)、無所属の新人佐藤早苗候補(62)も立候補している。
【過去2回の参院選福島県選挙区の選挙結果】
▽前回(2019年)
当 445547 自民党の現職
345001 野党統一候補で無所属の新人
※投票率=52・41%
▽前々回(2016年)
当 462852 野党統一候補で旧民進党の現職
432982 自民党の現職
※投票率=57・12%