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参院選福島県選挙区 星氏が初当選 小野寺氏に9万9550票差 「安倍氏の志継ぎ復興成し遂げる」

2022.07.11 05:03
初当選を果たし、花束を手に記念撮影する星氏(左から4人目)。前列右隣は妻の享子さん
インタビューに答える星北斗氏

 参院選福島県選挙区(改選1議席)は自民党公認の新人星北斗氏(58)=公明党推薦=が41万9701票を獲得し、事実上の一騎打ちを繰り広げた野党統一候補で無所属の新人小野寺彰子氏(43)=立憲民主党、国民民主党、社民党推薦=を9万9550票差で破り、初当選を果たした。自民は2016(平成28)年に当時法相の敗北で失った議席を奪還した。

 星氏は不安定な情勢の時こそ自公による政治の安定が不可欠だと訴え、幅広い産業の支援・友好団体と連携し組織戦を展開。県内全域で着実に支持層を固めた。

 小野寺氏は物価高による家計の負担軽減、消費税の時限的引き下げなど生活者目線の公約をアピールしたが、浸透しきれなかった。

 投票率は53・40%(男53・59%、女53・22%)で、前回2019年の52・41%を0・99ポイント上回った。


■福島県選挙区の開票結果(選管最終、敬称略)

当419,701 星  北斗 58 自 民 新

◎320,151 小野寺彰子 43 無所属 新

  30,913 佐藤 早苗 62 無所属 新

  23,027 窪山紗和子 47 参政党 新

  19,829 皆川真紀子 52 N 党 新

無効21,876、持ち帰り・その他13

(◎は当選者以外の法定得票数獲得者)


■星北斗氏の談話

 皆さんのおかげで戦い抜き、勝つことができた。心からお礼申し上げる。本県はまだ復興の道半ばだ。(急逝した)安倍晋三元首相の志をしっかりと引き継ぎ、皆さんと一緒に復興を成し遂げていく。


■星北斗氏インタビュー「最先端の教育環境を」

 福島民報社は参院選福島県選挙区で初当選した自民党の星北斗氏(58)にインタビューし、国政への抱負を聞いた。選挙戦で重点施策に挙げた少子化・人口減少対策について、国内最先端の学びを受けられる教育環境を整備することで若年層の減少に歯止めをかける考えを強調した。(聞き手・取締役編集局長 安斎 康史)

 -初陣を勝利で飾った。18日間の選挙戦で何を感じたか。

 「県内全域を回り、原発事故の爪痕の大きさを肌で感じた。本県復興をさらに前進させたいとの思いが強まった。有権者からは地域医療の充実をはじめ、多くの要望を聞いた。国政に反映していく」

 -街頭演説中に安倍晋三元首相が銃撃され死去した。

 「この上なくショックだ。党幹事長時代から、何度か声をかけていただいた。遺志を受け継ぎ、全力で国政に挑む」

 -少子化と人口減少が喫緊の課題だ。

 「子どもを育てやすい、子育てを楽しめる社会環境をつくりたい。もう一つ重要なのは教育の充実だ。県内のあらゆる教育がネットワークでつながるような仕組みを構築したい。例えば医療分野ならば、福島医大を核とし、医療関係の学校と連携する。国内最先端の学びを受けられる県になれば、県外に出ていく人が減り、入ってくる人が増える。その起爆剤になりたい」

 -論戦で争点となった物価高への対策は。

 「政府の対応方針の通りだと考える。燃油価格の抑制策や低所得の子育て世帯への給付、地方創生臨時交付金などの緊急対策を政府は実施している」

 -防衛や外交、安全保障の考えは。

 「戦争をしないと宣言したら、他国が攻めてこないだろうか。理想と現実は異なる。いかに自国の自立と安全、財産を守るかを落ち着いて考える必要がある。食料やエネルギーの安全保障については、国を挙げたプロジェクトとして、目標値を設定して対応していくべきだ」

 -東京電力福島第一原発の処理水はどう対応すべきか。

 「現状のままでの海洋放出はあり得ない。ただ、タンクでため続ける方法はリスクがあり現実的ではない。処理水の性質に関する国内外の理解を促すなど風評被害の抑止策を徹底した上で、放出せざるを得ないと考える」

 -新型コロナウイルス感染症の感染対策と経済再生についてどう考えるか。

 「重症化率や死亡率が下がってきている。感染拡大におびえて経済活動を止める必要はなくなってきたと個人的には考える。思い切った政策転換が必要な時期が間もなく来るのではないか」


■星北斗(ほし・ほくと)氏の略歴

 福島県郡山市出身。安積高、東邦大医学部卒。旧厚生省に医系技官として入省。公益財団法人星総合病院理事長。県医師会副会長や県民健康調査検討委員会の座長も務めた。