かつて親しんだ音楽は人をリラックスさせる。ゲームのBGMが頭から離れないという人も少なくないだろう。米議会図書館は先月、「スーパーマリオブラザーズ」のテーマ曲を歴史的、文化的に重要な録音資料として永久保存すると発表した▼「タラッタ、タラッ、タ」。軽快なラテン調の曲を耳にした瞬間、赤い帽子と口ひげのおじさんを操作して夢中になった記憶がよみがえる。ジョン・レノンさんの「イマジン」、マライア・キャリーさんの「恋人たちのクリスマス」なども保存リスト入りしている。ゲーム音楽として初めて、名曲の数々と肩を並べた▼懐かしさを感じると幸福感が高まり、社会との温かい絆を実感できるとの研究がある。脳の働きが活発になり、「幸せホルモン」といわれるドーパミンが分泌されて心地よさをもたらす。ストレスを和らげ、心身の健康への効果もあるのだろう▼マリオを題材にしたアニメ映画が福島、郡山、いわき各市で公開中だ。ゲームの音源を使った劇中曲がふんだんに流れる。お父さん、お母さんはノスタルジーに浸り、子どもは初めて触れる映像と音の世界にわくわくする。ゲームオーバーのない家族の至福の時間をぜひ。<2023・5・5>