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【聖光2年連続夏の甲子園 4強の先へ】(下)守備力の安定が鍵

2023.07.31 17:00

 今夏の聖光学院は同校初の4強入りを果たした昨夏の主力が残り、福島大会で貫禄の試合運びを見せた。ただ、強打の学法石川との決勝は守りのミスも絡み、10失点を喫した。全国の強豪を制して「日本一」を達成するためには投手力、守備力の安定が鍵となる。

 投手陣は全国でも継投策が有力か。福島大会では、力ある直球とスライダーが武器の主戦安斎叶悟は10回2/3を投げて被安打10。左横手の小室朱生は11回0/3で被安打11だった。2年生で唯一ベンチ入りした高野結羽は決勝を含む4試合に救援し5回2/3を投げて被安打3と存在感を発揮した。

 一方、準決勝までの4試合で8だった与四死球は決勝1試合だけで9に上った。制球などを開幕までにどの程度修正できるかが焦点だ。各投手には福島大会の経験を糧に一層の奮起が望まれる。

 野手の守備も引き締めが必要だ。主将の遊撃高中一樹は5試合で無失策と安定する一方、チームとしては3回戦以降は毎試合失策を記録。計7失策と安定感を欠いた。決勝は送球ミスから傷口を広げる局面もあった。夏の甲子園は出場校の打力が高まるとされる。紙一重の勝負が予想され、伝統の堅守を取り戻せるかが勝敗を左右しそうだ。

 打撃は強みといえる。福島大会5試合のチーム打率は4割2分8厘と昨夏の3割7分1厘を上回り、56打点を挙げた。1番高中はトップの6割1分5厘、12打点と好機で勝負強さが光った。決勝は二塁打2本と三塁打などで6打点をたたき出して攻撃をけん引した。3番杉山由朗は3割8分9厘、4番三好元気は5割、5番樽川遥人は4割6分7厘と中軸も好調だ。甲子園でも、強打に鍛えた小技や走力を絡めて投手陣を援護したい。

 3年生はスローガン「世界一のチャレンジャー」を掲げ、4強を超えて全国制覇に挑む気構えを込めた。ナインは福島大会で手にした成果と課題を携え、31日に現地に向かう。