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いわき市が2連覇 大雨被害の古里思い結束 第17回市町村対抗福島県軟式野球大会

2023.10.02 09:25
4度目の優勝を喜ぶいわき市ナイン

 第17回市町村対抗福島県軟式野球大会は最終日の1日、福島市の県営あづま球場で準決勝と決勝を行った。決勝はいわき市が12―1で矢吹町を破り、2年連続4度目の優勝を果たした。いわき市の選手は田子弘樹監督を胴上げし、喜びを分かち合った。

     ◇       ◇

 2連覇を飾ったいわき市は台風13号による大雨で被災した古里への思いを胸に勝ち上がった。ナインは「明るい話題を持ち帰れて良かった。災害に遭った市民を少しでも勇気づけられたらうれしい」と胸を張った。

 開幕前日の8日夜。大雨がいわき市など浜通りを襲い、市内では多くの住宅が浸水被害を受けた。地元のいわきグリーンスタジアムで第1日、第2日に予定された試合の日程会場が変わるなど予想外の事態で幕を開けた。主将の星龍之介選手(35)は被害の著しかった内郷地区に住む。自宅こそ被害を免れたが、近隣では浸水した家が相次いだ。

 優勝した昨年の前回大会からチームの顔ぶれが半分以上入れ替わった。全体練習日を大会前に2日しか取れず、コミュニケーション不足が懸念されていた。ただ、「被災した人のために勝とう」「被害状況や復旧の進み具合はどうか」などと試合や練習のたびに話し合い、士気を高めてきた。

 試合を重ねるたびに結束を強めたチームは楢葉町との準決勝を9―0、矢吹町との決勝を12―1といずれも大差で制し、頂点にたどり着いた。星選手はタイトルの余韻をかみしめつつ「史上初の3連覇を目指す」と来年に視線を移した。

 大会は県野球連盟、福島民報社、実行委員会の主催。県野球連盟の県北、県中、県南、いわき、磐南の各支部が主管した。リオン・ドールコーポレーション、JA共済連福島の特別協賛。創世グループ、明治、ナガセケンコー、ケー・エス・シーの協賛。棄権を除く57市町村の代表チームが出場し、トーナメントを繰り広げた。