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全国高校ラグビー 聖光学院、初戦で涙 京都工学院に0―112

2024.12.28 13:00
【聖光学院―京都工学院】後半8分、ゴール前のスクラムからボールを受け取り、トライを狙う聖光学院のセンター木村(中央)
スタンドから声援を送る聖光学院の応援団

 第104回全国高校ラグビー大会は27日、大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕した。初日は1回戦9試合を行った。6年ぶり2度目の出場の福島県代表・聖光学院は京都工学院(京都)に0―112で敗れ、花園初勝利はならなかった。聖光学院の先発メンバーは【図】の通り。

 歴代最多72度目出場の秋田工は高川学園(山口)に35―29で競り勝った。報徳学園は仙台育英(宮城)を52―3で、佐賀工は松山聖陵(愛媛)を29―19で下した。能登半島地震の影響を受けた日本航空石川は鹿児島実に73―8で勝った。

 大会には51チームが参加。28日に1回戦の残り10試合を実施する。30日の2回戦からは前回優勝の桐蔭学園(神奈川)などシード校が登場する。来年1月1日に3回戦、3日に準々決勝、5日に準決勝を行い、決勝は7日。


▽1回戦

京都工学院 112―0 聖光学院(55―0、57―0)


 【評】聖光学院は武器としていた展開ラグビーを封じられ、京都工学院に敗れた。試合開始直後に相手の素早いパス回しでトライを喫した。相手の勢いを止められず9連続トライを奪われ、前半で55点差とされた。後半8分と同21分、一瞬の隙を突いてゴール直前まで進む場面もあったが、相手のタックルに阻まれるなど及ばなかった。


■主将・センターの木村 チーム鼓舞 トライ迫る

 ノーサイドのホイッスルが鳴るまで、聖光学院の選手は懸命にボールを追い、果敢にタックルした。目標としていた花園での初勝利はかなわなかった。「1、2年生が、この敗退を意味あるものにしてくれる」。主将の3年・センター木村倭(やまと)は後輩に夢を託した。

 序盤から相手の素早いパスと動きに惑わされた。前半20分には、ボールを持つ相手選手に食らい付いた木村が右太ももを負傷。「キャプテンの自分がみんなを鼓舞しなければ」と、痛みに耐えてチームをけん引した。

 後半からは、敵陣の前線に守備を集中させた。ランナーに複数人でタックルし、相手にプレッシャーをかけ続けた。一時はゴール直前まで迫ったが、一歩及ばなかった。

 今年はメンバーの半数が1年生。元日本代表の宇佐美和彦コーチら指導陣は今後の成長に期待する。スクラムの中心を担った1年ロックのアニセ・マウシオは「全国のレベルの高さを実感した。力負けしない体をつくり、必ず花園に戻ってくる」と誓った。


■選手頑張った 来年に雪辱を

 佐藤忠洋監督 完全な力負けだったが、選手は頑張ってくれた。結果を受け止め、来年の花園で雪辱を果たしたい。


■強豪校と戦え最高の思い出

 木村倭主将 体格の差が大きく押し負けてしまった。悔しいけれど、花園で強豪校と戦えたことは最高の思い出だ。


■サイドから切り込んで好機演出 ウイング新垣

 聖光学院のウイング新垣春介(1年)は後半21分、ゴールラインの数10センチ前までボールを運び、チームの好機を演出した。スクラム後で左に寄った相手守備の隙を見抜き、右サイドから切り込んだが、相手選手のタックルに阻まれた。来年は攻守両方の要となるセンターに挑戦する。「視野の広さを磨き、チームのレベルを引き上げたい」と前を見据えた。


■保護者ら200人 スタンドで応援 関西県人会も

 スタンドには学校関係者や保護者ら約200人が詰めかけ、聖光学院の選手に熱い声援を送った。木村倭主将の父誠さんは、最後まで戦い抜いた子どもの勇姿に、「負けてしまったのは残念だが、頑張る息子を花園で見られて良かった」と笑みを浮かべた。

 関西県人会の会員ら10人も駆け付けた。平野景子副会長(会津若松市出身)は「大勢の応援団と一緒に精いっぱい声をからした。大差がついたが、最後までひたむきにプレーして感動した」と選手をねぎらった。