X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

大敗糧に闘志燃ゆ 福島県の聖光学院、センバツ出場決定 〝秋の屈辱〟掲げ猛練習

2025.01.25 10:59
勝利を目指してランニングする選手。明治神宮野球大会で大敗を喫した時のスコアが掲げられている
伊達市保原町に掲げられた垂れ幕

 神宮で味わった悔しさを甲子園で晴らす―。聖光学院の第97回選抜高校野球大会(センバツ)出場が決まった24日、選手は必勝を誓った。秋季東北大会で7年ぶりの頂点に立ったが、各地区の優勝校が集う明治神宮野球大会で東洋大姫路(兵庫)に0―10で大敗を喫した。全国の壁の高さを痛感し、グラウンドにその試合のスコアを掲げ、猛練習に明け暮れた。「甲子園で成長した姿を見せる」。気合をみなぎらせた。


 選手は校内の礼拝堂で出場校発表のライブ配信を見守った。東北地区で真っ先に校名を呼ばれたが、喜びの声を上げずに真っすぐ前を見つめていた。竹内啓汰主将(2年)は「これからまた勝負が始まる。もっとチーム力や個々の強さを磨いていきたい」と決意を新たにしていた。

 昨年11月の明治神宮野球大会では、一回に先発の大嶋哲平(2年)が3点本塁打を被弾するなど2回6失点でノックアウト。継投した投手も勢いを食い止められなかった。打線は大会屈指の好投手・阪下漣(2年)に散発2安打に封じられ、0―10で五回コールド負け。斎藤智也監督(61)は「今まで経験のないような惨敗だった。相手の体格とパワーに衝撃を受けた」とこぼした。

 失意のうちに福島に戻った選手はグラウンドのスコアボードに屈辱の記録を掲げた。「二度とあんな経験はしたくないし、してはいけない。すごく気が引き締まる」と竹内主将。選手間でミーティングを重ね、日本一という目標を見失わないよう一緒に踏ん張ろう、と声をかけ合った。長打力の差を痛感した野手陣は筋力トレーニングや体重の増量で体をつくり、打球を遠くに飛ばす練習「ロングティー」でひたすら白球を打ち込んだ。主戦格の大嶋は走り込みやバーベルを担いだスクワットなどで球速アップに取り組み、決め球のチェンジアップにも磨きをかけている。

 チームは生まれ変わる過程にある。センバツに向け、福島県楢葉町や静岡県などでキャンプを張り技術と精神力の底上げを図る。指揮官は「歴代の中でも力はあるが、それを引き出せない。何がなんでも屈しないというアグレッシブさを出してほしい」と奮起を促す。竹内主将は「チームがかたまりとなって戦えるよう、一瞬一瞬を大事にしていく」と闘志をかき立てた。


■「聖光らしい野球を」関係者がエール

 聖光学院のセンバツ出場を知った関係者からは、喜びの声が上がった。同校で選手と選考結果を待っていた新井秀校長は「開幕までの約2カ月でさらに実力を高めてほしい。初戦を制し、その勢いで勝ち上がってもらいたい」と激励した。

 県高野連の木村保理事長は「福島県から出場校が選ばれ、うれしく思う。チーム一体で戦う聖光らしい野球を甲子園で披露してほしい」とエールを送った。


■東北代表の誇り胸に活躍を期待 知事

 内堀雅雄知事は「東北大会優勝で勝ち取った出場に特別な喜びを感じていると思う。東北代表としての誇りと支えてくれた人々への感謝の思いを胸に、練習の成果を存分に発揮し、活躍してほしい。頑張れ、聖光学院高校ナイン!」とエールを送った。


■出場祝い垂れ幕 保原で民報社

 福島民報社は24日、伊達市保原町のなかのクリニックに聖光学院高のセンバツ出場を祝う垂れ幕を掲げた。幕は長さ12メートル、幅1・2メートルある。「祝甲子園出場 頑張れ聖光学院」と書かれている。


■電子号外を発行

 福島民報社は24日、聖光学院のセンバツ出場決定を伝える電子号外を発行した。