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3候補、SNS駆使 若者らへ浸透狙う 福島県いわき市長選告示

2025.09.01 10:05
いわき市内に掲示された候補者ポスターの前を通り過ぎる若者。若年層の投票率向上が課題となっている

 福島県いわき市長選が告示された31日、いずれも無所属で、現職内田広之(53)、元衆院議員の新人宇佐美登(58)、元職清水敏男(62)の3候補は市内を遊説し、医療体制拡充や防災力向上、経済活性化などを訴えた。各候補は広大な市内の街頭で肉声を届ける一方、若年層や無党派層への浸透を意識し交流サイト(SNS)を駆使した選挙戦も展開している。

 各候補は告示前から動画投稿サイト「ユーチューブ」や、X(旧ツイッター)、インスタグラムなどのSNSでの発信に力を入れてきた。内田候補は、1期4年の実績を解説した動画や市内でのあいさつ回りの様子などを発信。宇佐美候補は、ユーチューブで生配信し、コメントでの視聴者との対話を重視している。清水候補は、動画を通じて市政への提言を行い、朝のつじ立ちの様子などを伝えている。告示日の31日もSNSを活用し、それぞれが第一声や遊説などの動きを発信した。

 市内在住で東日本国際大2年の大橋宗志さん(25)は大型娯楽施設・商業施設の誘致を望む。「若い世代が楽しめる場所が少ない。地元に魅力ある施設が多ければ、市外に出て行く人も減るのではないか」と注文した。専門学校生の女性(19)は有権者になって初めての市長選。就職活動を控えている中で経済対策に注目しているといい、「よく考えて大事な一票を投じたい」と述べた。


■市選管委 民間と連携、インスタで啓発 若年層の投票率向上へ

 いわき市では若年層の投票率向上が課題となっている。市選管委によると2021(令和3)年の前回市長選の投票率全体は47・68%で、18歳から29歳までの若年層の平均は29・48%だった。65歳から80歳以上までの高齢層の平均は53・62%で、比較すると24・14ポイント低かった。今夏の参院選や昨年の衆院選でも同様の傾向だった。

 市選管委は若年層の投票率を高めようと今回の市長選で、交流サイト(SNS)を活用した学生向けの情報発信を強化。インスタグラムで市内の情報を発信している会社「LOCO(ロコ)」と連携した啓発活動を初めて展開している。

 ロコのアカウント「Loco Iwaki(ロコいわき)」(@loco_iwaki)のフォロワーは1・7万人。このうち約7割が市内在住で、25~44歳が6割以上を占めている。市選管委は若年層への影響力の高さを見込み、市長選の概要や期日前投票制度などを紹介する投稿をしてきた。今後は、24時間限定で公開できる機能「ストーリーズ」を活用して投票行動を促す。

 ロコの最高顧客責任者(CCO)の佐藤桃香さん(24)は「魅力的ないわき市をつくるためのリーダーを決める大事な選挙。投稿をきっかけに投票所に足を運んでほしい」と呼びかけている。