X メニュー
福島のニュース
国内外のニュース
スポーツ
特集連載
あぶくま抄・論説
気象・防災
エンタメ

福島県最低賃金1033円 過去最大78円増で答申へ 福島地方審

2025.09.03 10:15

 福島県の最低賃金の改定額は時給1033円になる見通しとなった。現行の955円から78円(8・2%)上昇し初めて千円を超え、過去最大の引き上げ幅となる。2日に開かれた福島地方最低賃金審議会の専門部会で、折り合いがつかない労使双方の求めに応じて公益委員が示した金額を採決し、賛成多数で議論を終結した。近く開かれる審議会を経て、1033円への改定を福島労働局長に答申する予定。適用時期は慣例となってきた10月から後ろ倒しし、来年1月1日になる見込み。

 中央最低賃金審議会は引き上げの目安額を63円としており、福島県は15円の上乗せとなる方向。直近10年間の福島県の最低賃金は【グラフ】の通り。物価高などを背景に、2023(令和5)年度以降の上げ幅が3年連続で過去最大となる見通し。

 労使の要望を受け、改定案を提示した公益委員の森谷吉博部会長(弁護士)は今年前半の物価上昇の大きさなどを挙げ、「低賃金労働者の賃金最低額を保障し、労働条件の改善を最も重視しなければならない」と説明。最低賃金の地域間格差を考慮し、関東圏を含む近隣県への労働人口流出防止なども目安額を上回る金額の理由とした。

 一方、大幅な引き上げには企業の十分な準備や価格転嫁への理解に加え、扶養の範囲で働く人の年収を考慮する必要があるとし、適用時期を後ろ倒しした。

 東北地方の最低賃金は宮城県が1038円、秋田、岩手両県がともに1031円、青森県が1029円に改定するよう各地方最低賃金審議会が各労働局長に答申した。山形県は協議が続いている。