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福島県白河市、終活お手伝い 医療、介護、葬儀…事前に意向把握 独居高齢者の不安解消 10月から

2025.09.11 10:56

 独り暮らしの高齢者が増えている中、福島県白河市は10月から、希望する65歳以上の医療や介護、葬儀などについての意向を事前に把握し、いざという時に情報を関係機関と共有する終活応援事業に乗り出す。市高齢福祉課によると、県内では珍しい取り組みだという。

 市は「わたしの終活登録事業」と銘打った。8月31日現在、市内の高齢者世帯は7612世帯で、このうち独居は4452世帯に上る。体調の急変や死亡などにより、本人の思いを代弁できない事例が近年、後を絶たない。市内では過去に高齢者が孤独死し、親族が見つからずに市が代理で火葬や埋葬を行ったケースがある。こうした事態を回避するため、生前に意思を確認する。

 事業の流れは【図】の通り。本籍や緊急連絡先、かかりつけ医など11項目を終活情報として市に登録する。登録料無料で一部のみの登録も可能。市役所本庁で受け付ける。市独自のエンディングノート「未来ノート」や、自身の医療に関する希望を記した「リビングウィル」も活用してもらう。病院や警察、消防などとも連携し、緊急時は市に照会できるようにする。

 一方、個人情報の取り扱いなどが課題となる。市は、登録は紙ベースでやり取りし、施錠できる書庫で書類を厳重に保管するとしている。登録は任意だが、市は広報誌や公式SNS(交流サイト)などで情報発信に努める方針だ。

 市高齢福祉課の松島弘行課長は「気軽な相談も受け付ける。終末期を安心して過ごせるよう利用してほしい」と呼びかけている。