今年5月に福島県富岡町沿岸部にグランドオープンした「とみおかワイナリー」は11日、ワインの醸造作業を開始した。町内産のブドウを使い、町内で醸造する事業の第一歩を踏み出した。
ワイナリー近くのほ場で収穫したシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングなど約600キロのブドウを使い、醸造を始めた。ワイナリーを運営する「ふたばラレス」の遠藤秀文社長が茎や不純物を取り除く機械にブドウを投入した。同日のブドウではスパークリングワインを造る。来年春に完成させ、販売する予定。
遠藤社長は「ブドウの植栽を始めてから9年半が過ぎ、全ての工程を富岡の地で実施できる大きな一歩となる。ワインを通じて富岡らしさを多くの方に感じてもらいたい」と話した。
ワイナリーは東日本大震災の津波で流失した遠藤社長の自宅跡地に建設された。ショップやレストランも備え、復興に向けた新たな観光・交流拠点として注目を集めている。ワインはこれまで、町外で委託醸造してきた。