福島県の自然や文化を奏で、心を寄せるピアニスト・作曲家鬼武みゆきさんのコンサート「Letters~美しき永遠への誓い~」は23日午後3時から、二本松市安達文化ホールで開かれる。二本松の提灯祭りや酒造りをジャズ風に表す曲などを披露する。10月4~6日に行われる提灯祭りを前に、うれしいプレゼントになると期待を集めている。
鬼武さんは神奈川県出身、東京理科大理学部数学科卒。キヤノンのシステムエンジニア時代に福島市の工場で研修し、安達太良山に登り、各地をカメラで撮影して歩いた。
東日本大震災の後に「福島の美しさを伝えたい」と、3年かけて県内を取材。花見山、相馬野馬追、大内宿、冬の磐梯山、只見川の霧、三春滝桜などをテーマに曲を作り、2019年にアルバム「FUKUSHIMA」として発表した。
二本松市の大七酒造などで蔵人が一丸となって造る匠の技に触れて完成した「Sakezukuriuta」は「日本酒醸造の並行複発酵の仕組みを表した」と、音楽と科学を融合させた。提灯祭りの熱気があふれる「Into the Light~Chouchin Matsuri~」は、子どもが憧れる存在を目指す若連の魂を知り、ジャズ風のアレンジで「かっこよさを込めた」という。
公演では他にピアソラの名曲「Libertango」なども演奏。トランペットのルイス・バジェさん、バンドネオンの北村聡さんらが共演し、映像なども使う。鬼武さんは「素晴らしいメンバーで視覚的にも楽しめるコンサートにしたい」と意欲を見せる。
二本松音楽協会の第101回定期演奏会。一般前売り券は3200円、学生券(小中高生)は千円、会員券は2500円。問い合わせは二本松音楽協会へ。