福島県猪苗代町の百歳の安藤ウシさんは、テレビゲームが長生きの秘訣だ。コントローラーを器用に操作し、ほぼ毎日2、3時間楽しんでいる。
「お気に入りはボンバーマン。あとはテトリス」。安藤さんのベッド横には、いつもスーパーファミコンがある。体を起こして取り出すと、自分でカセットを入れ、電源をオン。コントローラーを両手で握り、左手で十字キー、右手でボタンを操作する。爆弾を置いて敵を倒すアクションゲーム「ボンバーマン」は最初のステージをあっという間にクリアした。
それもそのはず、テレビゲーム歴は約30年の大ベテランだ。東京に住んでいた孫の家を訪ねた際、初めてコントローラーを握った。自分でキャラクターを動かしたり、落ちてくるブロックを並べて消したりして点数を競うのにやみつきになった。孫から不要になったゲーム機をもらうと毎日、楽しむようになった。手元のスーパーファミコンは3台目。1、2台目は故障し、中古品を買い求めた。
週末は自宅を訪ねてくる4歳のひ孫とゲームを興じる。腕前は負けない。ひ孫がゲームに失敗すると、「ばあちゃんの方が上手だ」と見本を見せる。「まだまだ負げらんね」。
次女の節子さん(65)と同居し、料理以外の身の回りのことは自分で行う。週3回のデイサービスで職員や利用者との会話を楽しみにしている。「ゲームで指先を使うから元気でいられる。寝てばっかもいらんねべ」。まだまだ現役ゲーマーだ。