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地域課題解決の一手に 「南会ドローン中学校」 操縦士育成コースに応募殺到 福島県の南会津地方

2025.09.17 16:46
南会ドローン中学校の実技風景。20人が操縦士育成コースで学ぶ

 福島県の南会津地方でドローンを用いた地域活性化の取り組みが本格化している。初の県営ドローンスクール「南会ドローン中学校」が7月に開校し、操縦士とドローンを活用する人材育成の講座を開いている。山地が広がり、人口減少が進む南会津地方では想定される活用法は多岐にわたる。地域課題解決の一手になるか、今後の活動が注目される。


■応募殺到

 ドローンスクールの講義会場は南会津町の旧桧沢中。8月から操縦士育成コースの授業が始まった。受講生20人が5組に分かれ、それぞれ3日間の日程で実技や実技試験に挑んでいる。

 民間のスクールがないため、操縦士育成コースには応募が殺到した。定員の4倍を超える約80人が希望し、地元の10~60代の男女が選ばれた。「空撮で観光事業に貢献したい」「農業に使いたい」「消防団の活動に役立てたい」。地域のために学ぼうとする受講生が多いという。


■学習の適地

 県南会津地方振興局によると、人口集中地域ではない南会津地方はドローンの操縦法を学ぶのに適した環境という。

 実技試験に合格すれば民間の資格を取得できる。実技に加えて座学で法令を学ぶ。民間の資格があれば、国家ライセンスを目指す際に費用が抑えられ、所要期間が短期間になる利点がある。

 活用人材育成コースには全国の341人が登録しており、対面や動画でさまざまな活用法を学ぶ。


■地域に発信

 8月に操縦士コースを受講した下郷町の小山巧真さん(南会津高1年)は受講生の中で最年少の16歳。将来は農業に携わりたいという。追肥などにドローンを役立てるために資格を取得した。「使う場面はいろいろあると思う。地元で学べてよかった」と振り返る。

 県南会津地方振興局県民環境部の渡部洋一郎副部長は、山地の多い南会津地方では災害時の現場確認や物資輸送などドローンが活躍するケースが多いと語る。「今年度の1期生でグループを作り、後に続く人や地域の子ども向けの発信も考えている」と地域での浸透を検討している。

(会津版)