英国で日本の食や文化を発信する「ジャパン祭り」は21日、ロンドン中心部のトラファルガー広場で開かれた。在英福島県人会ロンドンしゃくなげ会は3月に亡くなった満山喜郎前会長(白河市大信出身)が構想していた「浜通りの商品を中心に復興をアピールしたい」との思いを受け、さまざまな県産品を提供、販売して魅力を紹介。満山前会長をしのび、一丸となって東日本大震災・東京電力福島第1原発事故からの復興の意気込みを伝えた。
大沼信一会長(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教授、福島市出身)はじめ約30人が参加。浪江町のなみえ焼そば、楢葉町の干し芋、ゆずドレッシング、英国庭園のある本宮市のかりんとう、元福島学院大理事長兼学長の桜田葉子さんらの呼びかけで寄贈された会津若松市の漆器、福島市のむぎせんべいなどが並んだ。会津漆器の美しさに魅了されて購入する来場者もあった。東電の「発見!ふくしま」ブースでは桃、JA福島さくらのブースでは梨とトマトが販売され、長蛇の列ができて完売した。
来年3月に東日本大震災から丸15年を迎えるのを前に、これまでの支援に感謝を伝えるため、福島県のマスコット「キビタン」が登場してラジオ体操などを披露し、会場を盛り上げた。
祭りには約4万人が来場した。ロンドンしゃくなげ会のブースを訪れたレイモンド・ンセンガさん(25)は「福島の地図や商品の説明があり、どこから来たものかよく分かった。桃グミが特においしい」とたたえた。大沼会長は「全店舗の中で最も盛況だったのではないか。福島県人、ロンドンしゃくなげ会は本当に素晴らしい。満山前会長も喜んでいると思う」と語った。同会の加藤絢子さん(白河市出身)が福島民報社に伝えた。