福島医大と長崎大の医師、看護師らの医療チームは4日、政府が自主退避を促した福島第一原発から半径20〜30キロの屋内退避区域で南相馬市や田村市などにとどまっている在宅療養者への巡回診療を開始した。
このうち南相馬市は、福島医大地域・家庭医療学講座の葛西龍樹主任教授や長崎大病院感染制御教育センター長の安岡彰教授らが3班に分かれ、原町区と鹿島区を回った。患者の家族に症状や薬の有無などを聞き取り、診察した。
今回、診察を受けた寝たきりの斎藤清吉さん(96)=同市原町区=の妻和江さん(81)は「自主避難で周りの人がどんどんいなくなり、取り残された思いで不安だった。お医者さんに夫を診てもらえて安心した」と話した。
県によると、屋内退避圏内に寝たきりなどの在宅療養者が3市2町3村で少なくとも500人いるという。医師、看護師、保健師、自衛隊員で計7チームを編成し、8日までに対象者の診療を終える予定。
(カテゴリー:福島第一原発事故)