東日本大震災アーカイブ

県民の気持ち知れ 首相と会談、予定時間超え訴え 知事「十分な賠償を」

 21日、県庁で行われた菅直人首相と佐藤雄平知事との会談は、当初予定を十分オーバーし、30分に及んだ。佐藤知事は繰り返し県民に対する原発事故の十分な賠償を国のトップに迫った。
 「避難生活は40日に及ぶ。県民がどのような気持ちで今日を迎えているのか理解してほしい」。佐藤知事は切々と説いた。東日本大震災で被災した岩手、宮城両県は復興に向けたつち音が響き始めた。しかし、本県では未曽有の原発事故がそれを阻んでいる。知事の無念の思いが会談時間を引き延ばした。
 確実な賠償と県民生活の再建支援を国に求める県の動きは止まらない。同日夜には農業、工業、観光業など幅広い分野での賠償を求める緊急要望を菅首相に提出した。

■原子力災害賠償県が政府に要望
 県は21日、政府に対して原子力災害の賠償に関する緊急要望を行った。原子力災害の賠償に関する県の政府への要望は初めて。

 要望は、東京電力と国が全責任を持って賠償・補償することを前提に(1)長期的な視点に立った被害を賠償に関する指針に盛り込む(2)県内全域を賠償対象にする(3)風評被害や精神的苦痛、営業的損害を対象にする(4)役場機能移転など自治体の損害も含める−など七項目。国の原子力損害賠償紛争審査会が設置され、審議が開始されたことなどを踏まえて要望した。

カテゴリー:福島第一原発事故