県は21日までに福島第一原発から半径20〜30キロ圏の家畜(肉用牛、乳用牛)の圏外移動について、スクリーニング検査を行い、放射線量が国の基準値の毎分10万カウント以下なら移動を可能とする方針を固めた。21日、郡山市の県農業総合センターで開かれた双葉地方八町村との連絡調整会議で示した。
スクリーニングは、各個体が(1)飼育舎内で管理(2)原発事故以前の飼料(牧草)利用(3)ふたのされた貯水タンクの水を使用−などの飼養管理状況を調査した上で行う。県家畜保健衛生所職員らが個体ごとに実施し、計測値が基準値を超えた場合は除染した後に再検査する。基準値以下となれば移動が可能になる。
圏外搬出は圏外への譲渡・販売・委託のほか、家畜市場や食肉センターへの出荷も含まれる。鈴木弘県畜産課長は移動先、受け入れ先が決まっている場合は「来週中にも(移動を)スタートさせたい」とした。
調整会議では八町村の担当者が受け入れ先の確保、畜産農家に対する補償、死んだ牛の処分について具体的な方針を示すよう県に求めた。
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